nishigaki / nsg

建築学生から何故か布全般を扱うデザイナーになりました

リスペクトから生まれる次世代のデザイン Clink!=Clip+Link

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今日はこちらのお話です。画像は引っ張ってこれないのですが、このゼムクリップは〈Clink!=Clip+Link〉という織咲誠さんの作品です。

 

この作品から伝わる「物質量やコストによらない利」が明確に表現されています。「物質量やコストによらない利」とは織咲さんがデザインするうえで提唱している一部で、今回の場合実態とする線・針金自体は変化せず、無駄な要素は一切加えられていません。その代わり+αとしてゼムクリップの線としての構成を組み直して〈引っ掛ける+挟む〉を生み出したのです。

 

最近、生き物をモチーフにしたようなゼムクリップなどがあります。それ自体は否定しませんが、ゼムクリップそのもののデザインに対してリスペクトが感じられない点が目立ちます。本来利便性を追求した機能美に複雑に絡まり合ったデザイン性がここまで利用されてきた価値のあるモノであったはずです。その性質を崩されてしまっているのは違うのではないでしょうか?

 

またこのクリップはシチュエーションがはっきり見えるのがポイントです。次世代が活用するコンテンツとして、需要を目的としたデザインを前提とするのではなく、生活に需要を見出させるデザインをすることがこれから求められるデザインではないでしょうか。(商品化されてんのかな…)